ガンプラなどのプラモデル製作では、使用する塗料や作業内容によって、適したマスクを選ぶ必要があります。
特にエアブラシ塗装やスプレー塗装では、ラッカー塗料やシンナーから発生する有機溶剤ガス、塗料の微粒子が空気中に広がるため、一般的な不織布マスクや花粉用マスクでは十分な対策にはなりません。
また、筆塗りの場合でも、ラッカー塗料を使用すると有機溶剤が発生します。
老眼になり、小さなパーツを塗装するときは、細かい作業を見るため顔を近づけることも多く、筆塗りでも防毒マスクを使用しています。
本記事では、エアブラシ作業をメインに、筆塗りでも愛用している防毒マスクを紹介します。
現在使用している組み合わせはこちらです。
【エアブラシ塗装】
・防毒マスク:重松製作所(シゲマツ) TW02 または TW02S
・吸収缶:重松製作所(シゲマツ) TS/OV(有機ガス+防じん一体型)×2
エアブラシ塗装で防毒マスクを使用する理由
エアブラシ塗装では有機溶剤と塗料ミスト対策が必要
エアブラシ塗装では、ラッカー塗料やシンナーから発生する有機溶剤ガスだけでなく、塗料ミストも発生します。
そのため、有機ガス用吸収缶と防じんフィルターを組み合わせた防毒マスクを使用しています。
塗装ブースがあっても防毒マスクが必要な理由
塗装ブースは、有機溶剤、ミスト、臭いを屋外へ排出しますが、すべての有害物質を完全に排気できるわけではありません。
窓を開けて換気をしている場合でも、塗装中に発生した有機溶剤やミストが、一時的に室内へ漂うことがあります。
特に広い面積を塗装する場合や、吹き付け量が多い作業では吹き返しも発生しやすいため、私は塗装ブースや換気と合わせて防毒マスクを使用しています。

不織布マスクと防毒マスクの違い
市販の不織布マスクや家庭用マスクは、花粉や飛沫対策を目的として作られており、シンナーなどの有機溶剤ガスを防ぐことはできません。
また、顔との密着性も専用マスクより低いため、隙間から有機溶剤ガスや、顔料などを吸い込んでしまう可能性があります。
有機溶剤や粉じんを長時間吸い込むことは、健康への負担になります。
そのため、プラモデル製作でも使用する塗料や作業内容に合わせた対策が大切だと考えます。
エアブラシ塗装時の防毒マスク|重松製作所(シゲマツ)のTW02SとTS/OV
使用機材
- マスク本体:重松製作所(シゲマツ) TW02S
- 吸収缶:重松製作所(シゲマツ) TS/OV(有機ガス+防じん一体型)

重松製作所のマスク本体TW02Sと、吸収缶の有機ガス用 TS/OVです。
TW02Sの選定理由とレビュー
以前は3Mの防毒マスクを使用していましたが、コロナ禍で吸収缶(6001)が入手困難になったため、日本製で供給が安定している重松製作所(シゲマツ)製へ変更しました。
日本の国家検定に合格した製品なので、安心して使用できます。
TW02Sを選んだ一番の理由は、吸収缶を左右2個装着できることです。
メーカーによると、吸収缶を1個装着した場合と比べ、2個装着では寿命が約4倍になるとされています。
TW02とTW02Sの違い
違いは接顔部の素材です。
- TW02:TPE(熱可塑性エラストマー)製
- TW02S:シリコーンゴム製
どちらもメーカーがスプレー塗装対応としており、プラモデルのエアブラシ塗装に使用できます。
シリコーンアレルギーがある場合はTW02、それ以外なら装着感の柔らかいTW02Sがおすすめです。
マスク本体 TW02Sのレビュー
TW02Sは接顔部が柔らかく、長時間装着していても鼻が痛くなりにくい印象です。
メガネとの併用でも問題なく、4年以上使用しても不具合はありませんでした。
5年目になり接顔部が変形してきたため、新品へ交換しました。
フィルター付き吸収缶 TS/OVの選定理由とレビュー
ラッカー塗料だけでなく、水性塗料でも希釈時に有機溶剤を使用する場合があるため、エアブラシ塗装、スプレー塗装、筆塗りでは有機溶剤への対策が必要です。
また、エアブラシ塗装などで、塗料を吹き付ける際には、顔料やメタリック塗料に含まれるアルミ粒子などのミストも発生します。
そのため、有機ガス用吸収缶と防じんフィルターが一体になった重松製作所(シゲマツ)TS/OVを使用しています。
吸収缶はシンナーなどの有機溶剤ガスを吸着し、防じんフィルターはミストや粉じんなどの粒子を捕集します。
エアブラシ塗装などでは、有機溶剤ガスと塗料粒子の両方が発生するため、両対応のTS/OVはプラモデル製作に適した吸収缶だと考えています。
吸収缶 TS/OVのレビュー
TS/OVは、左右2個装着することで呼吸抵抗が少なく感じられ、長時間の塗装でも使用しやすい吸収缶です。
吸収缶と防じんフィルターが一体になっているため、管理や交換が分かりやすいです。
装着後のフィットチェック(密着の確認)
防毒マスクは、高性能なフィルター付き吸収缶を装着していても、顔にしっかり密着していなければ十分な効果を発揮できません。
隙間があると、そこから有機溶剤と顔料を吸い込んでしまいます。
マスクの装着後は、頭を軽く振り、ずれないことを確認します。
次に、吸収缶の吸気部分を手で塞ぎ、ゆっくり息を吸います。
マスクが顔に吸い付くような感覚があり、隙間から空気が入ってこなければ密着できています。
この時、手でマスクを顔に強く押し付けないように注意が必要です。
強く押し付けると一時的に隙間が塞がれ、正しく密着状態を確認できない場合があるためです。
私はマスクを装着するたびに、このフィットチェックを行っています。
数秒で終わる簡単な確認ですが、マスク本来の性能を発揮するためには欠かせない作業です。
フィルターと吸収缶の交換目安
吸収缶の寿命は使用頻度や塗装環境によって異なります。
私が交換の目安にしているのは次の3点です。
- 呼吸がしづらくなった
- シンナー臭を感じるようになった
- フィルターが黒く汚れてきた
TS/OVは一体型のため、いずれかに当てはまった時点で交換しています。
臭いを感じる前に、使用時間や保管状態を考慮し、新品へ交換することも重要です。
私の場合は、塗装環境があまり良くないこともあり、週1~2回の塗装で約3か月使用するとフィルターが黒くなります。
約3ヶ月使用した TS/OV

左が約3か月使用したTS/OV、右が新品です。
使用した方はフィルターが黒くなっており、塗料の顔料などを捕集していることが分かります。
シンナー臭がしなくても、この程度まで汚れたら新品へ交換しています。
マスク本体の買い替え時
接顔部が変形したり、装着時に痛みを感じるようになったら買い替えています。

左が新品、右が長年使用したマスクです。
同じサイズのマスクですが、見比べると、右側はサイズ違いと思うほど接顔部が変形していることが分かります。
毎日使っていると変形に気付きにくいため、新品を購入したときに写真を撮っておくと、買い替え時期の目安として比較しやすくなります。
*画像はTW02Sではありませんが、本体の構造は一緒です。
防毒マスクのメンテナンス方法
防毒マスクや防じんマスクを長く使用するためには、使用後のメンテナンスも大切です。
使用後は、キムワイプなどで「面体(マスク本体)」の汚れを拭き取るようにしています。
塗料や皮脂をこまめに取り除くことで、マスク本体を長持ちさせることができます。
汚れがひどい場合は、吸収缶や防じんフィルターを取り外し、面体のみ軽く水洗いすることも可能です。洗浄後は直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干ししてください。
**吸収缶や防じんフィルターは洗浄して再使用できません。必ず新品へ交換してください。
防毒マスクの保管方法|ドライボックスがおすすめ
防毒マスクや防じんマスクの吸収缶は湿気に弱いため、保管方法も重要です。
ハクバ ドライボックス NEO 15Lを使用しています。
密閉性が高く、フタには除湿剤を入れられるスペースがあるため、ケース内の湿度を抑えながら保管できます。
私は、防毒マスク・防じんマスクの本体を3個所有し、マスク本体や吸収缶、フィルター、防護ゴーグルなどをまとめて収納しているので、15Lを使用しています。

一方で、マスク本体が1個程度であれば、密閉できるチャック付きポリ袋でも十分だと思います。
私も連日作業する場合は、チャック付きポリ袋に入れて一時保管しています。
吸収缶は開封後も湿気の影響を受けるため、使用後はドライボックスや密閉容器で保管すると寿命を延ばしやすくなります。

- 5.5L:W330×H135×D220mm
- 9.5L:W330×H230×D220mm
- 15L:W470×H235×D240mm
ドライボックスを購入する場合は、収納する量に合わせてサイズを選ぶとよいでしょう。
エアブラシ塗装の防毒マスクのまとめ
自分が使用しているマスクは下記の通りです。
エアブラシ塗装時のマスク一式
- 防じん・防毒マスク:重松製作所(シゲマツ) TW02S
- 吸収缶:重松製作所(シゲマツ) TS/OV(フィルター付き吸収缶)2つ
交換や買い替え時
- フィルターや吸収缶:シンナーの匂いを感じたり、息苦しくなったり、白いフィルターが黒くなってきたら
- 本体:痛くなったり、本体が変形してきたら
保管方法
- 吸収缶は湿気に弱いのいで、ハクバのドライボクスを使用
- チャック付きポリ袋でも良い
エアブラシ用具まとめ
このページでは、エアブラシや防毒マスク、塗装ブース、塗料の希釈方法や、塗装環境をまとめ、それぞれの特徴や使用感を、各記事で紹介しています。

今回紹介したエアブラシ塗装の工具一覧(Amazonストア)
今回ご紹介したエアブラシなどは、私の「Amazonおすすめ工具リスト」で一覧としてまとめています。















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