ヤスリがけでは粉塵が、エアブラシ塗装では吹き返しなどでミストが出る
それらを長期間吸い込むのは、当然健康には良くないはず
なので、それらを吸い込むのを防止するマスクをしようということで、自分の使っている防毒マスクと防塵マスクを紹介してみる
前のブログでは3Mの6000シリーズを使用していたが、コロナ禍からシゲマツのマスクに買い替えた
エアブラシ塗装時の防毒マスク シゲマツのTW02SとTS/OV
シゲマツのマスク本体TW02Sと、吸収缶の有機ガス用 TS/OV
マスク本体をTW02Sにした理由
株式会社 重松製作所のマスクにした理由は、コロナ禍で3Mの吸収缶6001が手に入らなくなったから
コロナ禍初期の頃は普通のマスクが品薄になって、何故かこんな感じの防毒マスクも品薄になった
3MのHPに書いてあるけれど、6001の製造国は韓国
輸入などの物流が止まったこともあり、吸収缶は品薄になり、売っていてもとても高額になった
コロナ禍初期に手持ちの6001吸収缶が無くなったこともあり、マスクそのもののメーカーを変更することを決意
いろいろ調べたら、株式会社 重松製作所は自衛隊にも販売しているみたいだし、吸収缶の製造国も日本とかいてある販売店がある
吸収缶が日本製なら手に入りやすいし、お金を自国内で循環させたほうが良いよねという考えもあり、シゲマツのマスクに決定
TW02Sにした理由は、吸収缶が1つで息苦しかったら困るのと、吸収缶が1つよりも2つのほうが、約4倍長持ちするとあったので、吸収缶の接続が2つのTW02SのMサイズを購入
吸収缶を有機ガス用TS/OVにした理由
なんか吸収缶っていろいろあって、初めて購入する時はすごく迷う
書いてあること専門的で良く分からないし
ただシゲマツのカタログは分かりやすかったので、親切だなと思った
自分がよく使う塗料は、ラッカー系と水性系なので調べてみた
- うすめ液:有機溶剤
- 塗料の色:顔料、アルミ粒子など
うすめ液はエアブラシで塗装中に揮発するので、有機ガスになる
顔料は鉱物などの粉末なので固体
そうなると
- 吸収缶の対応ガスの種類:有機ガス
- 防じん機能の区分:試験粒子が個体
の吸収缶に絞られ
- 防じんの粒子捕集効率:80%、95%、99.9%のいずれか
あとは顔料をどれだけ捕集してくれるかになるが、防じん用フィルターが付いた吸収缶はTW02Sには80%しか選べない
気になるなら、フィルターなしの吸収缶とフィルター単体を買うと、粒子捕集効率を上げることが出来る
結果、防塵機能付き有機ガス用で、粒子捕集効率は区分S1となり、使用時間の長いTS/OVになった
塗装環境では防塵フィルターは必要
たまに吸収缶だけで塗装している人のブログなどを見ることがある
吸収缶で有機溶剤のガスは吸収されていて、臭いがしないから安全って思っているのかもだけど、フィルターを付けないと、空気中の粒子状の物質(塗料の顔料など)で吸収缶が詰まり、性能が下がるし寿命も短くなる
車などでも吸気にはエアフィルターがあるように、顔料やホコリなどを吸収缶に入れないほうが、吸収缶の仕事効率も良くなる
ガスだけでなく顔料などもある塗装環境では、フィルターの装着をしたほうが良いと思う
フィルターと吸収缶の交換目安
吸収缶には使用時間があるが、ガスの濃度などの環境によって変わってくるのもあるので、自分的な目安としては、シンナー臭がするようになったら吸収缶の交換、フィルターが黒くなってきたり、息苦しくなったらフィルターの交換と決めている
TS/OVは一体型なので、どれかになったら交換しているが、自分の塗装ペースだと、だいたい3ヶ月位でフィルターは黒くなる
シゲマツのTW02SとTS/OVのレビュー
マスク本体 TW02Sのレビュー
3M(アメリカの会社)の6000シリーズのマスクを使用しているときは、マスクが固いからか外国人の骨格に合わせているからか、鼻が痛かったりすることがあった
シゲマツのTW02Sは、マスク本体が少し柔らかい感じで、痛いこともなくフィット感がちょうどよく感じた
色が黒いのでミストの汚れが付着したのも分かりやすく、装着後の掃除も簡単に行える
2020年中頃から使い始め、2024年2月現在で4年ほど使用したけれど、本体が歪んだり、ゴムが切れたりすることなく、すごく快適に使えている
フィルター付き吸収缶 TS/OVのレビュー
吸収缶に関しては、臭いもなく、息苦しさもない
フィルターと一体型なので、付替えも簡単でとても良く感じる
約3ヶ月使用したフィルター付き吸収缶 TS/OV
左は塗装を3ヶ月ほど行った吸収缶、右は開封直後の吸収缶
左側の吸収缶のフィルターは、右側に比べて黒っぽく汚れている
塗料の顔料などを吸い込んでしまうのを、防げているのが分かると思う
自分的な目安として、この位フィルターが黒くなってきたら、TS/OV(フィルター付き吸収缶)を新品に交換している
ヤスリがけ時の防じんマスク シゲマツのDR77RとR1
シゲマツのマスク本体DR77RとR1フィルター
マスク本体をDR77Rにした理由
トーヨーセフティーの使い捨て式防じんマスクを使用していたけれど、使い捨てでもったいないなというのと、どうも固めの不織布が顔に当たると痒くなるので買い替えを検討
2017年当時に探して良さそうなのを見つけたのが、シゲマツのDR77R
シゲマツのPDFのカタログが見やすかったのが1番かもしれない
DR77Rは防じん専用で、2024年2月現在、DR77Rは生産終了商品
現在だったら、TW01Cを買っていると思う
こちらは、防じんと防毒の兼用だけれど、自分は防じん専用で使いそう
フィルターをR1にした理由
カタログの対象粉じんの種類を見て、やすりがけなんて土砂・岩石レベルなんじゃないの?という理由から、溶接なんてしないから溶接対応のR2はオーバースペックだよねぇってのもある
粉じんのフィルターはよく分からないけれど、プラスチックを燃やすと出るダイオキシンやら放射性物質、ナノマテリアル(100nm以下)対応のフィルターまである、すごい技術だ
シゲマツのDR77RとR1のレビュー
マスク本体 DR77Rのレビュー
脱着しやすく、ゴム紐の調整もしやすく、顔にフィットするけれど、鼻が痛くなったりすることもなく快適に使用できる
現在のモデルは違うけれど、この頃のモデルは防じん専用なので、柔らかいゴムのような素材の面体部分と、フィルターを付ける固いプラの部分が一体になっている
面体とフィルター基部の重なっている部分に、プラの粉やホコリが溜まるので、現在のモデルの様に取り外しができれば、掃除が楽なのにと思う
フィルターR1のレビュー
手でヤスリをかけている時も、ペンサンダーでやすりをかけている時も、このフィルターで喉が痛くなったりしたことはないし、息苦しくもない
息苦しくなったら交換しようと思っていたけれど、なかなかタイミングが分からず、交換時が難しいのだけれど、高いもんでもないし気がついたら交換している感じかな
保管はカメラのドライボックス
マスクの保管に使用しているケースは、ハクバのドライボックスNEOの15L
密閉できるし、除湿剤を入れられるケースが蓋に付いているので、保管時の湿度をコントロールできて便利
除湿剤のケースは、大きな除湿剤を入れていたのもあり、水分を含んで膨らんだら蓋が空いていた
粉末の袋入りのではなく、板状の除湿剤もあるので、そちらのほうが入れやすいかもしれない
15Lで容量は十分過ぎるほどあるので、マスク本体3種(シゲマツの防毒と防じんマスク、3Mのマスク本体)だけでなく、吸収缶やフィルターも一緒に入れて在庫管理もしている
画像にはないけれど、最近は、脱臭効果のある除湿剤を入れている
臭くはないんだけど、なんとなく脱臭できるならいいかなって軽い感じで使用中
続けて作業するときは、密閉できる袋に入れて一時保管している
マスクは作業内容で入れ替えになる事が多いから、ここまで大きいケースでなくてもいいかもしれない
このケースには、5.5L、9.5L、15.5Lと3種類があるので、自分にあったサイズを選べるので、なんとなくのサイズ感を測っておくといいと思う
保管時の注意点
マスクを使用後はキムワイプなどで、マスク本体の面体などを拭き取ると、マスク本体は長く使えるようになる
汚れが激しいなら、フィルターなどを外した状態で軽く水洗いも可能
乾かすときは陰干しなので注意
*吸収缶やフィルターは、洗って再使用はできないのでしないで、必ず使い捨てにすること
最後に
エアブラシ塗装では、マスクは必須だと思っている
ラッカー、水性関係なく、顔料を吸い込むのは体に良くないしね
ヤスリがけでは、プラスチックの粉だけでなく、パテなどを使っていたら、その粉も空中に舞う
粉じんで「じん肺」という病気になる場合もある
肺に溜まった粉や、組織化され固くなった肺を元に戻す方法はない
近年話題のマイクロプラスチックが、人体の頸動脈の隆起に蓄積されているという記事があった
頸動脈の隆起から検出された人は、されなかった人に比べ、脳卒中などになるリスクが4倍以上になるらしい
また、体内に広がり炎症を起こしている可能性があるというのだから、やすりがけのプラの粉が体に悪い影響を与える可能性があるということになる
マスクでしっかりと予防をして、健康的に楽しく趣味を続けるように心掛けたい
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