プラモデルの製作では、ディテールアップパーツを取り付けたり、真鍮線を埋め込んだり、電飾の配線を通したりするために、パーツへ穴を開けることがあります。
穴を開けるために使用しているのが、ピンバイスやドリル、リーマなどの工具です。
正しい使い方をすれば、細いドリル刃でも簡単には折れないので、一度購入すれば長く使うことができます。
20年以上使い続けている工具は、ピンバイスとドリルビットくらいかもしれません。
ここでは、プラモデル製作で使用している穴あけ・穴加工工具と、それぞれの使い分けを紹介します。
穴あけ・穴加工の作業の流れ
穴を開けるときは、目的のサイズや加工内容に応じて、位置決め、穴あけ、拡張、整形などの工程を組み合わせています。
基本的には、次のような流れです。
- 位置決め: ニードル(ケガキ針)で中心にガイドとなる凹みをつける
- 穴あけ: ピンバイスにドリル刃を取り付け、穴を開ける
- 拡張: 必要なサイズのドリル刃に交換して穴を広げる
- 穴の調整: ハンドリーマーで穴を広げたり、形を整えたりする
- 底面の整形: スピンブレードで穴の底面を平らに整える
小さな穴は1~2の工程で終わることもあれば、大きな穴や形を整える必要がある場合は、3~5まで行います。
大きな穴を開ける場合には、ピンバイスではなく、モデリングドリルチャックを使用します。
穴の大きさや形、加工する場所によって工具を使い分けています。
ニードル(ケガキ針)

穴を開けるとき、最初に中心へガイドとなる凹みを付けるために使用しています。
コンパスの針側、ホームセンターで購入したニードルなど、いろいろ試しましたが、現在はミネシマのケガキ針に落ち着きました。
ミネシマのケガキ針は針を交換でき、ケガキ針というだけあって、スジボリのアタリを付けるときにも使えるので便利です。
使い方とポイント
穴を開ける位置の中心に印を付けるほか、スジボリのアタリを付けるときにも使用しています。
穴の中心にいきなり深い穴を開けるのではなく、ドリルの先端が引っ掛かる程度の小さな凹みを作ります。
これだけでもドリルの先端が滑って、穴の位置がずれるのを防ぎやすくなります。
ピンバイスとドリルビット

ピンバイス
ピンバイスは、ドリルビット(ドリル刃)を固定して使用する、手動の小型ドリルです。
ドリルは工具そのものを指し、ビットやチゼル(タガネ)などを装着して回転させます。
ビットやチゼルなどを取り付ける部分をチャックといいます。
プラモデルでは、小さな穴を開けるときにピンバイスを使用します。
穴の位置を決めたら、まず細いドリル刃で下穴を開け、必要なサイズまでドリル刃を交換しながら広げています。
いきなり太いドリル刃を使うよりも、穴の位置がずれにくく、ドリル刃やパーツへの負担も抑えられます。
WAVE HGワンタッチピンバイス
マゼンタのピンバイスです。
一番右の4本が専用のドリルビット。
ワンタッチというだけあって、チャックネジを締めなくてもドリル刃を取り付けられるので便利です。
軸の形状が多角形なので空転しにくく、使いやすいところも気に入っています。
タミヤ 精密ピンバイスD
ピンクの上の2つがタミヤの精密ピンバイスDで、0.1~3.2mmに対応しています。
チャックが円柱形のものを固定できるようになっていて、汎用性が高く、こちらも使いやすいピンバイスです。
何故2つあるのかは不明です。
不明なピンバイス
左のピンバイスは高校生の時にどこかで購入したもの。
30年以上前のものなので、すっかりどこのメーカーか分からなくなっていますが、0.1~1.2mmくらいに対応しています。
現在は、WAVEとタミヤのピンバイスを使用しているので、ドリルとしては使っていません。
真鍮線などを固定してヤスリをかけるときに使用しています。
ドリルビット
WAVE以外のドリルビットは、ホームセンターなどで購入したものを使用しています。
白いケースのドリル刃セットも高校生の時に購入したもので、0.5~1.4mmまで入っています。
30年以上使用していますが、今まで1本も折れていません。
六角軸のビットは電動ドリル用のものですが、プラモデル製作でも使用しています。
ドリル刃を折らないコツ
細いドリル刃は、無理な力をかけると折れてしまいます。
特に0.5mm以下の細いドリルを使うときは、次のことを意識しています。
ドリルを垂直に保つ
ドリル刃をパーツに対してできるだけ垂直に保ちます。
斜めに力がかかるとドリル刃が曲がりやすく、折れる原因になります。
無理に押し込まない
ピンバイスを強く押し付けないよう、軽く添える感じで使用しています。
ドリルは力で押し込むのではなく、回転させながら少しずつ削るイメージです。
細いドリルから使う
大きな穴を開ける場合も、最初から太いドリルを使わず、細いドリルで下穴を作ってから段階的に広げます。
穴も綺麗になるし、ドリル刃への負担を減らせるだけでなく、穴の位置も決めやすくなります。
深い穴は一気に削らない
深い穴を開ける場合は、一気に奥まで押し込まず、途中でドリルを少し戻して、切り粉を逃がしながら作業します。
切り粉が詰まった状態で無理に回すと、細いドリル刃は折れやすくなります。
タミヤ モデリング ドリルチャック
以前は、充電式ドリルドライバー用のドリルを素手で使用していました。
タミヤのプラバン2mm厚に穴を開けているときに指をケガしてしまい、手でドリルを持たなくても使用できるものがないかと探していて見つけたのが、このモデリングドリルチャックです。
先端は普通の回転式チャックになっており、直径1.5~6.5mmのドリルを脱着できます。
回転式チャックというだけなら、このドリルチャックは購入しませんでした。
購入の決め手になったのは、回転式チャックを外すことができ、六角軸のビットを取り付けられることです。
使い方とポイント
ピンバイスでは大きすぎる穴を開けにくく、電動ドリルを使うほどではないときに使用しています。
特にプラバンなどに大きめの穴を開けるときに便利です。
電動ドリルほどの力や回転速度を必要としない加工に向いています。
穴を開ける位置を確認してから、ゆっくり回して少しずつ削っていくと扱いやすいです。
ピンバイスでは不足、電動ドリルでは過剰。そんなときに使いやすい工具だと思います。
ハンドリーマー

使用しているリーマーは、WAVE HG ハンドリーマーです。
「リーマ」という言い方もあり、私はリーマと習ったので、こちらのほうがしっくりきます。
ピンバイスやドリルで開けた穴を広げたり、整えたりする道具です。
ホームセンターでもリーマは販売されています。
リーマーには種類があり、テーパーが付いていないストレートタイプや、パイプ用のリーマがあります。
使い方とポイント
ドリルで開けた穴を少し広げたいときや、穴の大きさを微調整したいときに使用しています。
一度に大きく削ろうとせず、少しずつ削ってパーツを確認しながら目的のサイズに近づけます。
穴の円の中心から、テーパーの軸がずれると楕円になったりします。
狙ったサイズまで綺麗な円を広げるには慣れが必要なので、いきなり本番パーツで始めるのではなく、1.0mm厚程度のプラバンで、何度も練習してから使うことをおすすめします。
なお、WAVE HG ハンドリーマーは2023年現在、生産中止となっています。
ゴッドハンド スピンブレードとスピンモールド

ドリルで開けた穴の底面を平らにしたり、キットに元からある丸モールドを深く、シャープにしたり、台形のモールドを作ったりするときに使用しています。
使い方とポイント
ドリル穴の底面を平らに、キットに丸モールドを深くシャープに、台形のモールドを作るときに使用しています。
スピンモールドは、刃先に軸が付いているので、ニードルなどでガイド穴を作っておくと、ブレずに綺麗に削れます。
刃をパーツに対して垂直に当て、少しずつ削ります。
台形は、途中で状態を確認しながら加工しています。
ポンチ

ドリルがプラバンなどの硬い材料に穴を開けるのに対して、ポンチは紙、布、革などの柔らかい材料に穴を開けるのに適しています。
右の木製グリップのものは野中製作所のスクリューポンチ、左はホームセンターで購入したポンチで、5~8mmのものを使用しています。
スクリューポンチ

野中製作所のスクリューポンチは、その名の通り上から押すと回転しながら穴を開けるため、少ない力で加工できます。
ハンマーなどで叩く必要がないので、騒音や振動が少ないのも特徴です。
プラモデル製作だけでなく、レザークラフトや裁縫でカシメをするときなど、夫婦で便利に使用しています。
プラモデルでは、ポンチを使ってマスキングテープを円形にカットしたり、0.1mmのプラペーパーをカットしたりしています。
使い方とポイント
マスキングテープの円形カット、プラペーパーの加工、紙や布などの穴あけ、レザークラフトのときに使用しています。
ポンチを使うとカッティングマットに丸い跡が付くため、私は2軍のカッティングマットの綺麗な部分を使っています
今回紹介したピンバイスや穴あけポンチの一覧(Amazonストア)
今回ご紹介したピンバイス、ドリル刃などは、私の「Amazonおすすめ工具リスト」で一覧としてまとめています。

使用している工具・道具まとめ
プラモデル制作で使用している工具・道具をまとめ、それぞれの特徴や使用感を個別記事で紹介しています。















コメント