エアブラシ塗装では、塗装ブースは必須アイテムの一つです。
塗装ブースを設置することで、有機溶剤の臭いや塗料ミストを屋外へ逃がせる環境になります。
当時販売されていた塗装ブースは、自分の作業環境では吸引力や設置方法に満足できなかったため、自作することにしました。
現在はエアテックス ウォーターブース Niagaraを使用していますが、この自作ブースも長年活躍してくれました。
今回は、その製作方法をご紹介します。
気軽に排気できる自作塗装ブースを目指した
エアブラシや缶スプレーで塗装をする場合は、塗料ミストや有機溶剤を屋外へ排気できる環境が必要です。
排気ダクト用の穴を常設でき、壁に穴を開けず、窓も少ししか開けなくて済む方法を考え、窓用換気扇のパネルにダクト用の穴を開けて排気することにしました。
この方法なら、塗装時だけでなく普段の換気にも利用できます。
マンションでラッカー塗装をするための排気環境
マンションでラッカー塗装をする場合、塗料ミストだけでなく、有機溶剤の臭いも問題になります。
排気する位置によっては、隣室や上下階の住戸へ臭いが届く可能性があるため、できるだけ周囲へ影響が少ない場所へ排気することを考えました。
また、共用廊下側へ排気すると、通行する住民や近隣住戸へ臭いの影響が出る可能性があります。
そのため、共用部分への影響を避け、空気が拡散しやすいベランダ側へ排気する方法を選びました。
ベランダ側であっても、隣接する住戸の窓や給気口の位置、風向きなどを考慮する必要があります。
管理規約を確認する
マンションによっては、臭い、ベランダの使用方法や外観変更、換気設備の設置について管理規約で制限されている場合があります。
塗装ブースを設置する前に、必ず管理規約を確認してください。
臭い対策として水性塗料へ移行
臭いによるトラブルを避けるため、私は下地処理やサーフェイサーなど、必要な部分以外の塗装では、臭いの少ない水性塗料へ移行し始めました。
使用する塗料を選ぶことも、マンションで塗装を続けるための対策の一つです。
自作塗装ブースのために買ったもの(用途・選定理由)
衣装ケース
グリーンパル ピュアクルボックス #13ナチュラル
- 用途:換気扇を固定し、フィルターを付け、吸込口にします。
- 選定理由:作業机にちょうど収まるサイズだったため選びました。
換気扇 FY-24BM6K
パナソニック FY-24BM6K 天井埋込形換気扇
- 用途:塗料のミストや有機溶剤の排気
- 選定理由:本体、シロッコファンともの鋼板製 ラッカー塗料やシンナーを使用するため、プラスチック製より安心
*天井埋込換気扇は本来この用途ではありません。塗装ブースへの使用は自己責任で行ってください。
換気扇用プラグコード
パナソニック FY-WP01 換気扇用プラグコード(速結端子用プラグコード)
- 用途:コンセントで使用可能にするため
- 選定理由:天井埋込換気扇にはコンセントが付属しないため必須です。
アルミダクトホース φ100mm
- 用途:換気扇と窓用換気扇を接続
- 選定理由:100mm径で形状を保ちやすかったため
金属網(バーベキューネット)
- 用途:換気扇の前に置くネット替わり
- 選定理由:手頃なサイズだったので
金属製の配線止めクリップ
- 用途:換気扇に取り付け、金属網を固定するため
- 選定理由:安かった
厚手のレンジフードフィルター
- 用途:塗料ミストを吸着し排気を綺麗にするため
- 選定理由:被せるタイプではないため
GSIクレオス ハニカムフィルター GT03H
- 用途:吹き返し防止のため
- 選定理由:手軽に購入出来るため
アルミテープ
- 用途:換気扇とアルミダクトの固定
- 選定理由:手軽に購入できるため
*商品仕様が変更になりサイズが変わっている場合があります
お買い物前にサイズなどの確認をしてください
自作塗装ブースの組み立て
この塗装ブースを製作したのは約10年前なので、製作途中の写真は残っていません。
そこで構造が分かりやすいよう、イラストを作成しました。
換気扇の位置を決める
最初に、衣装ケースに換気扇を取り付ける位置を決めます。
位置によってブースの傾きが変わります。
- 上側に設置すると、衣装ケースは上向きになる
- 下側に設置すると、衣装ケースは水平に近くなる
一度衣装ケースに穴を開けると修正できないため、十分シミュレーションしてから加工しましょう。
また、換気扇は鋼板製で重量があるため、机を傷付けないよう板などを敷くことをおすすめします。
衣装ケースを加工する

衣装ケースの底面に、換気扇が入る大きさの四角い穴を開けます。
カッターだけでは大変なので、
- 3mm程度のドリルで2cm間隔に穴を開ける
- 金属用ニッパーで切り抜く
という方法で加工しました。
超音波カッターがあるとより楽だと思います。
穴を大きく開けすぎると固定しにくくなるため注意してください。
換気扇と金網を取り付ける

換気扇は強度を考えて衣装ケースの内側から取り付けます。
排気部分が出っ張っていますが、斜めに入れれば入ります。
隙間は、ホットボンドとアルミテープでしっかり塞ぎます。
市販の金網はちょうど良いサイズが少ないため、バーベキュー用ネットをニッパーで切断しました。
換気扇の吸気口より少し大きめに切り、金属クリップで固定します。
これがないとレンジフードフィルターが換気扇へ吸い込まれてしまいます。
フィルターを取り付ける

衣装ケース内部には、カレンダーなどのコート紙を貼り、汚れ防止にします。
その後、レンジフードフィルターとハニカムフィルターを取り付ければ完成です。
窓用換気扇を設置する

排気口には窓用換気扇を使用しています。
パネルに100mmダクト用の穴を開け、ダクトを接続します。
上部に換気扇があるので、塗装ブースで吸い切れなかったミスト、有機溶剤の臭いを屋外へ排気できます。
使用しないとき用に、穴を塞ぐカバーを作っておくと、見た目もすっきりします。
自作塗装ブースの使用レビュー
吸引力は十分
換気扇の吸引力は十分強く、少し離れた位置から塗装してもミストをしっかり吸い込んでくれます。
ハニカムフィルター付近で塗装している限り、吹き返しもほとんどありません。
ハニカムフィルターの設置位置が重要

ハニカムフィルターを奥へ押し込みすぎると中央以外で吹き返しが発生しやすくなるため、できるだけ手前に設置するのがおすすめです。
また、塗装する位置も換気扇の中心付近を意識すると吸引効率が高くなります。
レンジフードフィルターの厚さで性能が変わる

レンジフードフィルターは、薄すぎるとミストを十分に捕集できず、厚すぎると吸引力が低下します。
自分の塗装スタイルに合わせて適度な厚さを選ぶことで、性能とメンテナンス性のバランスが取れます。
換気扇内部の汚れ

フィルターを外すと、シロッコファンにはサーフェイサーや塗料が付着しています。
ミストをしっかり吸い込めていることが分かります。
臭いと吹き返し
窓用換気扇があるので、臭いも減るし吹き返しで空中に舞うミストも減る。
収納性

使用しないときは衣装ケースの蓋を閉められるため、見た目をすっきりさせられます。
アルミダクトはそのままでも使用できますが、気になる場合は取り外すことも可能です。
自作塗装ブースのメリット・デメリット
メリット
- 市販品より安価に作れる
- 作業環境に合わせたサイズにできる
- 分解・メンテナンスしやすい
- 換気扇を変更すれば吸引力も調整できる
デメリット
- 製作に手間がかかる
- 完成するまで性能が分からない
- 加工には工具が必要
約10年間使って感じたこと
現在はNiagaraを使用していますが、この自作塗装ブースも長年活躍してくれました。
自分の作業環境に合わせて自由に設計できます。
自作なら改造するのも簡単ですし、故障しても自分で直せるのは、安心感があってよかったです。
現在使用しているNiagaraとの比較
自作塗装ブースは、乾式フィルター方式なので排気の綺麗さではNiagaraに劣ります。
しかし、構造が単純なためメンテナンスがしやすく、設置場所に合わせて大きさを自由に決められる点がメリットです。
一方、Niagaraは水流によって塗料ミストを効率的に回収できるため、乾式フィルター方式より排気中のミストを抑えやすいです。
ただし、8リットルの水を使用するため、使用後の水処理や本体サイズの大きさは気になる部分です。
そして何より、水が流れる様子を見ながら塗装できるのは、通常の塗装ブースにはない楽しさがあります。
自分の作業環境に合わせて選ぶのが一番だと思います。

まとめ
自分の環境に合わせた塗装ブースを作れたので、とても満足しています。
限られたスペースでも十分な吸引力を確保でき、掃除やメンテナンスも簡単でした。
市販品にはない自由度があり、改良を重ねながら使えるのも自作ならではの楽しさです。
工作そのものが好きな方には、自作塗装ブースは十分挑戦する価値があると思います。
防毒マスクは装着しましょう
どれだけ性能の良い塗装ブースでも、吹き返しを完全になくすことはできません。
また、塗料の希釈や洗浄作業では、有機溶剤が空気中へ揮発しています。
防毒マスクを必ず着用してください。
さらに、定期的に部屋の換気を行い、吸収缶の交換時期も守ることで、安全にエアブラシ塗装を楽しめます。

換気扇 パナソニック FY-24BM6Kの掃除の仕方
別ページに記載しました。

エアブラシ用具まとめ
このページでは、エアブラシや防毒マスク、塗装ブース、塗料の希釈方法や、塗装環境をまとめ、それぞれの特徴や使用感を、各記事で紹介しています。

今回紹介したエアブラシ塗装の工具一覧(Amazonストア)
今回ご紹介したエアブラシなどは、私の「Amazonおすすめ工具リスト」で一覧としてまとめています。












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